夏の道端の定番。一面に白い花が咲きます

キク科ムカシヨモギ属の、初夏の野草。

明治ごろに観賞用として渡来したと言いますが、何しろ繁殖力旺盛なので道端のいたるところで見られ、ちょっとした空間にも隙あらば生え、空き地なんて言ったらヒメジョオン畑か?ぐらいに群生します。
背も高いので、たくさん咲いているとなかなかの見ごたえです。

花の大きさは2cm程度で糸のような細い花びらがいっぱい、真ん中が黄色。……と、春の代表的雑草・ハルジオンにそっくりで見分けが難しい!と言われる花ですが、ハルジオンより花の時期が遅く、5月も後半になるとほとんど入れ替わってこちらヒメジョオンが基本になります。

問題の「糸のような細い花びら」も、ハルジオンが本当に糸みたいに細くてボサボサしているのに対し、ヒメジョオンはもう少ししっかりと「花びら」に見える形をしていて、わりと整然と並んでいます。
以下、10日目のハルジオンのページにも書きましたが、図鑑的に言うハルとヒメの違いは、

  • ツボミ … ハルは垂れて下を向いている。ヒメは上を向く。
  • 茎の中身 … ハルは中身がスカスカ。ヒメは詰まっている。
  • 葉 … ハルは茎を抱く。ヒメは抱かない。

というところですが、ヒメジョオンもつぼみが俯いていることもあったりしてビミョウです。
が!春ごろに「ハル? ヒメ? どっち~??」と悩んだ皆さんもご安心ください。6月から先はヒメジョオンの天下です。秋口まで咲き続けますので、たっぷりと見て見慣れて、来春のハルジオンとの見分けに備えてくださいね!

ヒメジョオン
分類キク科 ムカシヨモギ属
花の時期5~10月ごろ
分布と生息地本州 / 道端、空き地、アスファルトの隙間、荒れ地、公園、畑、土手、河川敷
花の色・大きさ白、薄いピンク / 2cm程度
花の形・特徴・ごく細い花びらがたくさん、真ん中の黄色い部分(筒状花という)を囲むようにつく
茎や葉の特徴・高さは30~100cmほど
・茎を切ってみると、中身が詰まっている
・葉の付け根は柄がなく、茎にペタッとくっついている
その他の特徴・ハルジオンによく似ているが、花の咲く時期は遅めの夏ごろ

ヤセウツボと似ている野草

ハルジオン