青紫色が鮮やかな星形の花と、茎を取り巻く丸い葉っぱが個性的

キキョウ科キキョウソウ属の、初夏の野草。

もともとは北アメリカから観賞用としてやってきた帰化植物ですが、キキョウに似た色の花を咲かせることから名前の付いた、キキョウソウ。

観賞用だけあって、色味も綺麗だし星形の5枚の花びらの花も可愛らしいですね。ツボミもチョコかキャンディかってお菓子みたいで、なんだか愛らしい。うん。雑草でも、これがウチの庭にあったら嬉しい。……って、上手くやっている野草のひとつでは。

葉っぱは丸くて縁にちょっとギザギザのあるマンガの吹き出しみたいな形のが、茎を抱くようにして互い違いの向きにつきます。なんだか階段みたい。
その葉のわきに、下の方から順番に花がついていくんですが、これが1段ずつ段々についていくように見えることから「ダンダンギキョウ」の別名も。

ただし、下の方についている花はツボミのままで花が咲かない「閉鎖花」と呼ばれるもので、ツボミがいっぱいのわりに咲いている花は常時そんなに多くありません。
全部の花が咲いて、花いっぱいの派手な仕様だったら、今でも観賞用として積極的にお庭に植えられていたかしら、なんて考えてしまいます。

一番上にひとつだけ花が咲くのは、仲間の「ヒナキキョウソウ」。キキョウソウ以上に、ほとんどの花が閉鎖花で終わってしまい、先っぽに上を向いた花がひとつだけ咲きます。
「ヒナ」は小さいということなのですが、それぞれ個別に見た限りではそれほど大きさの違いは感じません。季節もだいたい同じ、似たような場所に生え、花の形も色も似ていますが、葉っぱが丸くなくてちょっと先の尖った三角形なので、全体的な雰囲気はちょっと違います。

キキョウソウ(別名:ダンダンギキョウ)
分類キキョウ科 キキョウソウ属
花の時期5~7月ごろ
分布と生息地本州、四国、九州 / 道端、空き地、公園、庭
花の色・大きさ青紫 / 長さ1.5cm程度
花の形・特徴・花びらは5枚で星形
・葉の付け根に花がつくが、下の方はほとんどツボミのまま花が開かない閉鎖花
茎や葉の特徴・高さは30~80cm程度
・1cm程度の丸い葉が、茎を抱く。葉は縁に緩いギザギザがあり、マンガの吹き出しみたいな形
・葉は互い違いの向きにつく(「互生」という)
その他の特徴・下の方につく「閉鎖花」は、花を開かずに結実する。

キキョウソウと似ている野草

ヒナキキョウソウ

ヒナギキョウ