5月3日は、3月の23区編(東高円寺)、4月の郊外編(多摩市)に続き今年3回目の「道端の草を探す散歩会」で、今回は都心編として皇居周辺を歩きました。

有楽町から都心のビルの合間を通って日比谷公園へ。公園内でじっくり草を見て回り、お堀に沿って皇居の東御苑を散策。
ビル街の小さな植え込みや道路の隙間でお馴染みの草たちを観察し、公園内ではいつもの草も珍しい草も一気に楽しんで、東御苑の武蔵野の自然を再現保存した雑木林では都会ではそうそう見ない(なんなら多摩地区でも珍しいような)山野草にも出会い、今回もたくさんの草が見られた1日でした。

今回も見た草の写真を載せておきますので、復習などにご利用ください!

なお、例によって写真を撮っている余裕はなかったので、今回も手持ちの画像です。当日見たのとちょっと違いますがご容赦をm(_ _)m

まずは、前回も見た草たち

今回もたくさんの草があるので、スピードアップしていきます!
まずは前回(4/21)の多摩でも見た草たちです。半月ほど経ってだいぶ入れ替わりがありましたが、春いっぱい、あるいは春後半から初夏くらいまで花が咲いているものたち。

1.ヒメオドリコソウ、2.トウバナ

お馴染みのヒメオドリコソウはかなり少なくなっていましたが、だいぶ小さいのを2、3回見ました。もう終わりごろですね。

トウバナは、主に公園内などで今回はとてもたくさん見ました。花穂が塔のようになるからトウバナ。4月に見た時は塔というほどではありませんでしたが、成長したのか花穂の長いものが多くて、これなら塔っぽいねとなりました。

3.ムラサキハナナ、4.ナズナ(ぺんぺん草)

3月、4月と見てきたムラサキハナナとナズナもだいぶ終わりごろ。ムラサキハナナは小さいのを1、2回しか見ませんでした。ナズナはあちこちにあるにはあるのですが、もうほとんどペンペンの実ばっかり。

5.ミチタネツケバナ、6.オランダミミナグサ、7.イヌガラシ

ミチタネツケバナも花はほとんどなくて、茶色い実がピンピン出ているのが道端のあちこちにありました。オランダミミナグサもあちこちあるんですけれど、もう茶色っぽくなっていて花は咲いていませんでした。

イヌガラシは、絶好調です。ちゃらぽこ周辺では2月終わりごろから見かけているんですが、花の季節の長い草ですね! 秋口まで見られるかなと思います。

8.シロツメクサ、9.ムラサキツメクサ(アカツメクサ)、10.コメツブツメクサ

マメ科の色々ツメクサたちは、絶頂期に入ったところです。4月の多摩ではまだぽちぽち程度でしたが、今回はたくさん見かけました。コメツブツメクサは、皇居などの草地で一面に咲いていて、小さいながら絨毯のように華やかでした。

コメツブよりも大きめのクスダマツメクサは、前回に続き今回も見当たりませんでした。

11.カラスノエンドウ、12.スズメノエンドウ

だいぶ減りましたが、カラスは何度か、スズメは1、2回見たかな。どちらも実を観察する季節になりました。

前回見たカスマグサは見当たりませんでした。

13.ヤセウツボ

色々ツメクサ・ファミリーの全盛にともなって、そこから養分をもらっているヤセウツボも絶好調。

14.カタバミ、15.オッタチカタバミ、16.アカカタバミ、17.イモカタバミ

カタバミ・ファミリーも絶好調。昨日は特に天気が良かったので、みんな元気でした。街中ではオッタチカタバミが優勢かな?と思っているのですが、今回は公園内も多かったのでカタバミもたくさん見られました。
日差しのある時間しか咲かない、超ホワイト企業のカタバミ・ファミリー。夕方近くなって、早々と眠ってしまったところも見られました。

イモカタバミは、公園の中で一面に群生している区域があって、ピンク色が派手な花だけにかなりの見ごたえでした。
前回なぜか見られなかったムラサキカタバミもありましたので、それは後述の「今回見た草」の方に載せておきます。

18.オオイヌノフグリ、19.タチイヌノフグリ、20.マツバウンラン

春いち早く咲き出すオオイヌノフグリは、他の草がどんどん出てきて少し減ってきたかなと思いますが、まだそこそこ咲いています。少し遅れて咲き出すタチイヌノフグリもあちこちで見られました。少し花が少なかったかな。何しろ3、4mmと小さいこともあって、写真に撮れそうな綺麗に開いている花を探すのに苦労しましたね!

マツバウンランは有楽町駅近くのビル街をスタート直後からちょこちょこ出てきました。

21.オオバコ、22.ヘラオオバコ

オオバコは日比谷公園や皇居東御苑の芝生や草地の隅で。ヘラオオバコはお堀の周りにたくさんありました。

23.ヘビイチゴ、24.ヤブヘビイチゴ

公園内でわさわさ見られました。日比谷公園は、両方並んで咲いている場所もあって見比べられます。前回はあまり見られなかった実もかなり見つかりました。

実があると、ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの見分けがつきやすいです。ヘビイチゴの実はシワシワが多くてあまりつやがありません。ヤブヘビイチゴはシワがなく、つやつやテカテカしてます。
「見分けやすい」と言っても、実自体は1cmそこそこで小さいのでマクロ判定が必要になるかもしれませんが……。でもそのほかの違いはどっち付かずのものも多いので、実で見分けるのが確実かなと思います。

25.ノミノツヅリ、26.ハコベ、27.ツメクサ

ノミノツヅリとハコベも春早くから咲き出した組で、だいぶ少なくなってきました。ツメクサは今が旬で、可愛い花がたくさん咲いています。いずれも道端で見つけました。コンクリートジャングルで頑張る皆さんです。

ツメクサは4、5mmの小さな花を咲かせます。面白いのが、ある場所によってだいぶ感じが違うところ。ツメクサは道路の真ん中のような人や車に踏まれる場所でも、アスファルトの小さな小さな隙間で、上手いこと踏まれない(踏まれてもダメージが少ない?)くらいにぺしゃんこになって過ごしているんですが、道路脇の段差や壁沿いなど踏まれない場所では10~15cmくらいまで立ち上がって立派な草になっています。
見比べてみてくださいね!

28.スズメノカタビラ、29.カモガヤ、30.チガヤ

スズメノカタビラは、今回もあちこちで。チガヤは皇居のお堀沿いにたくさんありました。だいぶ穂が開いてバサバサになったのも多かったです。
カモガヤも、皇居の外の道端で見かけました。

今回ももう少し、イネ科の草があったような気がしますが、押さえていたのはこのくらい。

31.セイヨウタンポポ、32.ノゲシ、33.オニノゲシ

あまり取り立てて触れませんでしたが、セイヨウタンポポ、ノゲシ、オニノゲシは何度も見かけました。
前回は多摩市の大きな公園があったので、そこでニホンタンポポも見ましたが、今回は見かけませんでしたね。ニホンタンポポは群生しますが、セイヨウタンポポはあまり群れないようで、あっちに一つ、こっちに一つ、くらいの感じでぽちぽちでした。

34.ノボロギク、35.オニタビラコ、

ノボロギク、オニタビラコも前々回、前回から見ていますが、ノボロギクは少なくなってきたようです。オニタビラコはまだまだもりもり咲いてます。

36.ハルジオン、37.ペラペラヨメナ

こちらも前回からの続投です。ハルジオンは、そろそろヒメジョオンと入れ替わりの時期です。実はこの前日の下見で、今年初めてのヒメジョオンを見まして、当日は同じ場所でもういくつかヒメジョオンを見まして(後述)。

ヒメジョオンが咲き出すとハルジオンもぼちぼちおしまいですが、この日はまだハルジオンが圧倒的に優勢でした。ただだいぶ花もくたびれていて、元々バサバサの糸のような花びらがさらにボサボサになっていて、ヒメと入れ替わりの準備が進んでいるようです。

ペラペラヨメナは、白い花が時間が経つと赤くなって、2色の花が咲いているように見え華やかです。前回の多摩ではまだ白が目立ちましたが、赤い花が増えてきたようでした。

38.ハハコグサ、39.チチコグサモドキ、40.ウラジロチチコグサ

道端キク科ペアレンツ、今回も元気にやってました。ウラジロが多くなってきました。

41.アメリカフウロ、42.アカバナユウゲショウ、43.シラン

可愛い系の皆さん。アメリカフウロは花もまだ見られますが、実が増えてきました。アカバナユウゲショウは1日あちこちでぽちぽち見かけました。シランは前回はツボミでしたが、今回は満開で公園では一面にたくさん咲いている区域もありました。

前回「アメリカフウロは花は可愛いけど実で損しているような……」というようなことを書きましたが、今回だいぶ増えてきた実がこちら(これが熟すと黒くなります)。あの可愛い花に、この実!? ってなりません??

44.ヤエムグラ、45.ヨツバムグラ

ヤエムグラは、花はほぼ終わって実を付けた草があちこちにありました。花は1、2回は見たかな? 小さすぎて、きちんと咲いているのか終わりかけなのか肉眼だと判断が付けづらいです……。

前回はまだ咲いていなかったヨツバムグラは、今回は咲いてました! といっても、ヤエムグラよりさらに小さい(約1mm。最強の小ささ!)なので、よーーーく見ないと、あるいは写真に撮ってマクロ判定しないと咲いているのかどうか分かりません。

みんなでヨツバムグラを取り囲んで地面にしゃがみ込んで、あーでもないこーでもないと写真撮影を頑張っていたんですけど、なにぶん草が小さくて見えないので通りすがりの周囲の人には何をしているのか全く分からなかったでしょうねぇ……。かなり不思議そうな顔で覗き込んでいく人多数でした。

46.ヒメウズ、47.シャガ、48.ニワゼキショウ

東高円寺、多摩、今回とコンプリートのヒメウズ。日比谷公園で数か所と、東御苑にはかなり大々的に群生してました。花も咲いていましたが、実ができて種が飛んで行ったあとのパカっと開いているのも見られました。
シャガはそろそろ終盤かと思いますが、まだまだ元気で公園に群生。

ニワゼキショウは前回はまだ少なかったですが、かなり増えてきて東御苑では特にたくさん見ました。今回はオオニワゼキショウも一緒に咲いていたので、そちらは後編で。

49.トキワハゼ、50.キュウリグサ、51.ヤブジラミ

トキワハゼも3回コンプリートで見ています。トキワはいつでも咲いているってイミで、花の季節も長いのですが、街角のちょっとした隙間に大きく群れることもなくぽつぽつとあります。
キュウリグサもまだまだ元気。こちらも花の季節が長いですね。茎の下の方から花を付けながら伸びていくのですが、今の時期はかなり伸びてひょろひょろしているものが多いです。

ヤブジラミは、4月の多摩市で「今日からいきなり咲き出した!」みたいな感じで見つけましたが(数日前の下見の時は、同じ場所にヤブニンジンがありました)、今はさらに増えて実もできています。実は硬い毛が密集していて、ひっつき虫になっています。

52.ナガミヒナゲシ、53ケキツネノボタン

春の間もりもり咲いて全盛を誇ったナガミヒナゲシですが、だいぶ減ってきました。今回は、季節外れっぽい小さなものと、実を見かけました。「ナガミ」の名前の由来になるこの細い実は、熟すと上の蓋がパカッと開いて隙間から小さな種をまき散らします。ふりかけか調味料の瓶みたい。

ただ前回の多摩でもそうでしたが、今回も、日比谷公園や皇居と言った自然が多い場所ではそれほど見かけないかなと思いました。都会に強い草ですね。

ケキツネノボタンは日比谷公園の池の脇で。金平糖みたいな実が可愛いです。

54.スイバ、55.ギシギシ、

どちらも皇居のお堀の脇で。スイバもまだ当分見られると思いますが、季節的に、スイバよりもギシギシが目立つようになってきたかな?

前回見かけたヒメツルソバは、今回は見た記憶がありません。どこにでもあるんですけど。空気すぎてスルーしてしまったでしょうか。

56.エビネ、57.キンラン

前回「多摩まで行った甲斐があった!」だったエビネとキンランですが、実は多摩まで行かなくても皇居東御苑で見られたりします……。なんなら多摩でもそうそう見られないものもあります。そこらへんは後述します。

ちなみにたまたまこの日、日比谷公園で「山野草展」をやっていて、いろんな種類の鉢植えのエビネが展示されていました。エビネは前回は桜ヶ丘公園の野草園で、今回は東御苑の武蔵野の自然を再現した林の中で見られましたが、どちらも人為的に植えられたもので、東京あたりで自生しているものを見ることはそうそうはないかなーと思います。

前回はなかった草たち

後半は、前回は見られなかった草です。前回は多摩地区だったので都会に特に多い草があまりなかったのと(たまたま見つからなかったのものあります)、季節も半月過ぎて新しく咲き出したものたちです。

まずは、わりとどこでも見られるとこから。

58.ムラサキカタバミ、59.イヌホオズキ

ムラサキカタバミは今の時期まち中のあちこちで見られますが、前回の多摩では見かけませんでした(多摩でも見かけるので、前回通った道になかっただけだと思います)。3月の東高円寺では見たのですが、あの日はお天気があまりよくなかったので半開きでしたね。カタバミ・ファミリーの例に漏れず、ムラサキカタバミも日差しがなくなると花を閉じてしまいます。

前述のイモカタバミと似ていますが、もう少し薄めの綺麗なピンクです。
ただ、イモカタバミに近いくらいに色の濃いのもあってちょっと迷います。
迷った時は、雄しべの先っぽ(葯)で見分けます。雄しべの先が白いのがムラサキカタバミ、イモカタバミは黄色です。全体的に見て、中心に向かって色が白っぽくなっているのがムラサキカタバミで、イモカタバミは中心の方が色が濃い感じもします。

イヌホオズキも3月の東高円寺で見ましたが、季節的には夏~秋がメインなので、前回はちょっと季節外れでしたね。前回見たのも今回のも、たぶんアメリカイヌホオズキだったと思います。

60.ハタケニラ、61.マメグンバイナズナ

以下は、2週間前はまだなかったけれど最近になって咲き出したもの。4月から5月は月をまたぐといきなり見られる花が増えるような印象です。ゴールデンウィークは華やかです!

ハタケニラはニラに似ていますが、ニラとは別の草で独特の臭みもありません。6枚の花びらの、1cmくらいの小さな花がまとまってついてとっても可愛いらしいのですが、繁殖力が強くて畑に生えるとかなりの困ったさんのようです。明治時代に観賞用として入ってきたのが逃げ出して雑草化したとか。今は東京周辺では道端でもあちこちにありますが、比較的新しい雑草のようです。

マメグンバイナズナはナズナの仲間で、ナズナが(ペンペン草と呼ばれるように)三味線の撥に似た三角形の実をつけるところ、こちらは軍配に似た丸く薄っぺらい実をつけます。グンバイナズナという、少し大型の草があるんですが、道端で見かける機会のあるのはこちらのマメグンバイナズナかと思います。

花が小さく地味なのであまり目立たないんですが、けっこうあちこちにありますよ!
ナズナ同様だんだん上に花を咲かせ実をつけながら伸びていって、ゆくゆくハンディモップみたいな面白い見た目になります。お楽しみにどうぞ。

62.ヒルガオ、63.コヒルガオ

こちらもまさにここ数日で咲き出しました。
ヒルガオとコヒルガオは、コヒルガオの方が名前の通り花が小さめですが、見てはっきり分かるほどの差ではありません。違いは葉っぱで、コヒルガオの葉は上に突き出た部分が2つに裂けていますが、ヒルガオは裂けていません。……と言っても、典型的で分かりやすいものは良いんですが、どっちつかずのものもよくあり、交雑種の「アイノコヒルガオ」なんていうのもあって困りもの。

64.キキョウソウ、65.ヒナキキョウソウ

これまた、この日今シーズン初めて見ました。(というか、キキョウソウは前日に下見で見たんですが、当日は花が咲く前のものだけでした。ヒナキキョウソウは2日とも花の咲いているのを見ました)
キキョウソウは、丸っこくてギザギザの葉っぱの脇に1cmちょっとの紫色の花をつけます。可愛いですね。葉っぱの段々ごとに花が咲くので「ダンダンギキョウ」という別名もあります。

ヒナキキョウソウは少し小型で、キキョウソウと違い茎の一番上にだけ花をつけます。花はどちらも似ていますが、ヒナキキョウソウの方は葉っぱも細いので、全体的にはキキョウソウとだいぶ見た目が違います。

注目していると、花が咲いていない葉っぱだけのものでも独特の形をしているので発見しやすいですよ!

66.オオニワゼキショウ、67.クサノオウ、68.ノビル

ニワゼキショウは前回見ましたが、今回はオオニワゼキショウも。皇居東御苑の芝生では、どちらも一緒に咲いていました。オオニワゼキショウは、じつはニワゼキショウよりも花が小さいのですが、背丈が大きいです。花の色は、ニワゼキショウには紫と白がありますが、オオニワゼキショウはこの色だけのようです。また、花びらがニワゼキショウよりも幅広く、隙間があまりありません。

クサノオウも道端でそこそこ見られる草ですが、今回は皇居東御苑の石垣の隙間から生えているのを見ました。鮮やかな黄色がパッと目を引く綺麗な花ですが、茎から出る汁に有毒成分が含まれています。これは薬として利用もされるそうですが、基本かぶれるので触らないように!です。

ノビルはこれから咲き出す草かと思いますが、今回は日比谷公園で、上の写真の真ん中にある茶色いツブツブ丸々っとした部分(「むかご」と言います)だけ見ました。この「むかご」が地面に落ちて発芽するので、花がなくても増えちゃうヒトで、花を咲かせないこともあります。

この日はむかごのついたものが数株あったので花を探したんですが、見つかりませんでした。画像のように花が咲いているのを見たら、ラッキー♪と思って観賞してくださいね! むかごはゴツイですが、花が咲くと線香花火みたいで可愛いです。

69.キツネアザミ、70.ノハカタカラクサ(トキワツユクサ)、70.ヒメコバンソウ

キツネアザミは、見た目がアザミに似ていますがアザミの仲間ではありません。アザミに見えてアザミじゃないからキツネアザミとか。ツンツンした花(「筒状花」と言います)はアザミのように大きく広がらず、シュッとした感じです。

ノハカタカラクサは、トキワツユクサの別名でも知られています。そっくりさんのミドリハカタカラクサという草がいますが、それよりも花が小型で、ミドリが茎が緑色なのに対しこちらは茎が赤みがかっています。そっくりさんですが、「トキワツユクサ」と呼ばれるのはこちらノハカタカラクサのようです。

園芸品種として持ち込まれたものが逃げ出したものですが、庭のような、道端のような、庭の中でも手をかけて育てているわけではなさそうな、雑草なのかどうか判断の付きにくい場所にもよくいます。

前回はコバンソウを見かけましたが、今回はコバンソウはなくてヒメコバンソウを皇居東御苑の入ってすぐくらいの歩道(だったかな?)で見ました。
コバンソウの小判がそのまま小さくなったような感じですが、かなり小さくて付き方もまばらなので、コバンソウみたいにお金持ち感がありません。

72.アレチノギク、73.マメカミツレ、74.オオジシバリ

アレチノギクとマメカミツレは、都市型の雑草のようです。どちらも公園内ではなく、ビル街の植え込みか街路樹の根本で見かけましたが、他で見てもだいたい見かけるのはそういった場所です。

アレチノギクは、ツボミみたいに見える花(これで咲いてます)で花びらがなく、花も緑とベージュ?みたいな色なので、あまり目立ちません。ちょっと可愛らしい形ですけどね。ノボロギクも「これで咲いてる!?」と突っ込みが入りますが、それ以上に地味ですね。
秋ごろまであるようなんですが、夏になると、これの大きい版のオオアレチノギクというのがわさわさ出てきて見当たらなくなってしまいます。

マメカミツレは3月に、新中野の近くの街路樹の根本でも見ました。今回も同じく、有楽町あたりの街路樹の根本で。都会が好きなのか、まだそれほど広がっていないのか、多摩市では見たことがありません。今年はちょっと注意して見てみます。

オオジシバリは、前回見たジシバリ(イワニガナ)と似ていますが、あちらは葉っぱが丸っこかったのに対してこちらはヘラ形の細長い葉っぱです。オオと言いますが、花はキモチ大きい程度で単独で見てはっきり違うというほどではありません。(3.5cmと4cmの差、くらいかな)

街中では、ジシバリよりもこのオオジシバリの方が見かけるような気もしますが、こちらももう少しチェックしてみます。今回は、お堀の岸の内側の、水面より少し上にある段差のとこにコンクリートの隙間から生えてました。

75.ヒメジョオン

来ましたヒメジョオン!! これ、前日の下見で今年初めて開花を確認しました。ツボミがスタンバイしているのは、1週間か10日くらい前に見ていたんですけれど。
ちなみにこの記事を書いている現在、まだ多摩地区では確認できていません。ツボミです。この日とこの前日に、都内で1、2か所見た程度です。

さてさて、ハルジオンさんと入れ替わりですね。

そっくりさんなハルとヒメですが、咲く季節が少しずれて、ヒメが咲き出すとハルはいなくなります。ヒメの咲き出しからしばらくは同時に咲いていて(ハルの方はだいぶくたびれていますが)、そのうちヒメだけになって、ヒメは秋近くまで咲いています。

なので、このそっくりさんを一生懸命見分けなければならない(?)期間はほんのわずかで、春に見たらハルだし5月以降に見たらヒメと思っていればいいんですけれど……。

それじゃ無責任な気もするので、一応、花を比べた写真を載せておきます。ハルは花びらが糸みたいに細くてボサボサ。ヒメの方が花びらの幅が広く花びららしい形をしていて、もう少し整然としていますね。

ほかにも見分けるポイントがいくつかありますが、長くなりそうなので、また機会をあらためることにします。または実地で……(って、この前も言ったっけ?)。

東御苑の雑木林などの山野草

76.ギンラン、77.アマドコロ、78.オドリコソウ

ラスト6種類は、皇居東御苑の雑木林や池で見たもので、雑草と言ったら怒られちゃう、山野草さんです。道端で見かける機会はそれほど多くはないと思います。というのも、東御苑の林は昭和天皇の「武蔵野の面影を残す樹林を」というご意向により整備された区画で、自然のものではないし、ましてこんな大都会にあるようなものでもありません。

でも、都会で希少な山野草の実物を目にする機会があるというのはありがたいことですね!

ギンランは、前回登場したキンランと同じくコナラなどの林にいて木の根元から栄養を得ている草です。キンランとたたずまいは似ていますが、キンランよりも少し小型で花はキンランほど開きません。
多摩市でもキンランと近い場所に毎年咲きますが、キンランよりも少しばかり咲き出しが遅く、前回の多摩編の当日はまだ見当たらなくて翌日に咲いているのを見つけました。

アマドコロも前回に見たホウチャクソウと似ています。こちらはホウチャクソウよりも葉っぱが幅広く、また花をよく見ると、ホウチャクソウの花びらは5枚に分かれていますがこちらアマドコロは分かれていなくて筒状になっています。

オドリコソウは、花が茎の周りにぐるりとつく様子がちょっと面白い草。街中でよく見かけるヒメオドリコソウは、このオドリコソウの小さいバージョンということで名前が付けられました。といってもオドリコソウの花は3cm近くあり、葉っぱも大きく、ヒメオドリコソウの花は1cmないくらいなので、比較にならないような気もするのですが……。

ちなみにオドリコソウは、北の丸公園にも群生しています。皇居の後で行く予定だったのですが、日比谷公園と皇居でゆっくりし過ぎて時間がなくなってしまい行けませんでした。皇居の中で見られて良かったー。
(北の丸公園の方は歩道から少し入ったところにあってちょっと遠かったので、皇居の方が近くでよく見られるかも)

前回キンランやホウチャクソウも多摩の道端で見つけたように、これらの草も、山奥に入らないと見つからないというほどではありません。林もある広い公園とか、城跡だとか、お寺や神社の境内だとか、またはちょっと郊外に行けば時々出会います。珍しいですが、覚えておけば出会った時の嬉しさアップですね!

79.ホタルカズラ、80.フタリシズカ、81.チョウジソウ

ホタルカズラは淡い水色の綺麗な花で、明るめの林や木立の中で咲いているとパッと目立つ草です。ホタルカズラ、しかも綺麗ないい名前……どうしてみんなこういう名前を付けてあげない!?

フタリシズカは花の房が2本、葉っぱの間から伸びていますが、これが2本でなくて1本や3、4本のこともあります。1人でも4人でもフタリシズカです。いやむしろ、昨日など見ていても、何人かはそれぞれでピッタリ2人というものが少数派のような……。4人いたらもう静かじゃありませんね!
同じく山野草でヒトリシズカという名前の草がありますが、全然見た目の違う草です。

ホタルカズラやフタリシズカは、小野路や町田の公園など、やはり多摩地区で見たことがあります。

チョウジソウは、ここで初めて見ました。湿地に生える、希少な植物のようです。

82.コウホネ、83.ヒメコウホネ

最後は東御苑の二の丸池で見た、コウホネとヒメコウホネ。

池ではアサザやコウホネ、ヒツジグサと言った水生植物が見られます。
と言っても岸から遠目だし、水草って普段見かける機会がなくてよく知らないので、どれが何だかよく分からないんですけど……。
とりあえずこの日は、コウホネとヒメコウホネが確認できました。

アサザは5月中旬~10月、ヒツジグサは5月下旬~10月下旬と案内板にあったので、そちらはまだ先なのかな?(もしかしたらあったかもしれません)

コウホネは岸から離れていて撮りづらかったので、写真はヒメコウホネ。コウホネの方は、花も葉ももっと大きくて葉や花が水面から立ち上がって出ています。

なお、「春の小川」のモデルと言われて知られる河骨川の「河骨」というのが、この草です。都内でもそこら辺の川や池で見られたんでしょうか。

以上、何か抜け落ちているかもしれないけれど、見た草83種類を一挙掲載しました。

前回の多摩に続き、たくさんの草を見て長くなってしまいましたがお読みいただきありがとうございます!

私は個人的には草の名前は覚えても覚えなくてもどちらでもいいと思っているんですが(覚えられたらもちろんそっちの方が楽しいですが)、「こういう草があるよ」と薄っすら分かっているだけでも、まちに顔見知りが増えたような気分で毎日のお散歩や通勤通学やお買い物が楽しくなるんじゃないかと思います。毎日見ているうちに、名前も覚えるかもしれない……くらいでいいんじゃないかな。

今日はどんな草があるかな、と探しながら歩けば、毎日が宝探しです。

ちょっと足元に目をやって、まちを歩くことをさらに楽しんでもらえたら嬉しいです!