モノクロっぽいシックな面持ちが魅力

ムラサキ科ハナイバナ属の、春~秋の野草。

この花の形、これまでに出てきた何かに似ていませんか? はい、キュウリグサさん。丸っこい5枚の花びら(5枚に見えますが、じつは5つに根元で分かれて5枚に見える)、中心がちょっとぷっくりした、とっても小さな花。なにやら既視感ありですね~。

花の形も似ていますが、大きさもキュウリグサと同じで直径2~3mmしかありません。
違うのは色。キュウリグサは綺麗な水色の花びらに真ん中が鮮やかな黄色だったのに対して、こちらは灰色に近いくらいの淡~いブルー。中心も白っぽいので、なんとなくキュウリグサをグレイスケールにした感じです。

キュウリグサみたいな小さな花で、でもなんだか白黒……と思ったら、きっとハナイバナさん。

全体的なシルエットも、ちょっと違います。キュウリグサは花を付けながら茎が伸びていきますが、伸び始めた茎には花が咲くだけで葉っぱは付きません。一方こちらハナイバナさんは、葉と花が交互に付きながら伸びます。「葉と葉の間に花が咲く」=「葉内花」ということで、これがハナイバナの名前の由来です。
そういうわけで、キュウリグサは茎の先の方には葉っぱがないのに対し、ハナイバナは先端の花の下まで葉っぱがあります。
遠目に見ても、「あれ? なんだかキュウリグサっぽいけどちょっと違うな……」と思うポイントかも。

花の季節はキュウリグサよりも長くて、春遅めから初夏くらいまでが活発なようですがその後も秋までちょこちょこ見られます。
花も小さくキュウリグサほど多くはありませんが、草地や道端など気にしてみるとちょいちょい見つかるので、探してみてください!

ハナイバナ
分類ムラサキ科 ハナイバナ属
花の時期3~11月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空地、公園
花の色・大きさ薄青(とても薄いので、灰色に近く見えることも) / 2~3mm程度
花の形・特徴・花びらは5枚に見える(じつは根本で分裂している)
・花の中心にちょっとしたふくらみがあり、ここは白っぽい色
・花びらは薄いブルーのグラデーションで、白に近いものもあり、モノクロっぽく見える
・キュウリグサをグレイスケールにした感じ
茎や葉の特徴・高さは10~30cm程度。地面を這うように伸びるので、あまり背は高く見えない
・葉も茎も、全体的に毛深い
その他の特徴・葉と花が交互に付きながら伸びていく(これが名前の由来)

ハナイバナと似ている野草

キュウリグサ