小さいけれど、しっかり者の働き者!

サギゴケ科サギゴケ属の、春~秋の野草。

全体としてわりと小ぶりで、小さな株がちょこちょこあちこちに生えている印象。道端や街路樹の植え込み、ちょっとした土のある場所などに、ちょいちょいいます。

長さ1cmくらいの、「唇形花」と呼ばれる上下に分かれる形の花で、上の短い部分(上唇)は薄紫色、下の広い部分(下唇)はさらに薄く白に近い紫色です。真ん中に黄色い点々があって、昆虫に蜜のある場所を示すのだそうです。小さいけれど、しっかりしてる!

名前のハゼというのは実がはぜる(はじける)ことで、トキワは「常に」ということ。この「常に」というのが、「花の時期が長いから」「葉が1年中あるから」「実が常にはぜているから」と、図鑑により諸説ありでしたが、実際のところすごく寒い時期を除き春から秋遅めまで花が見られます。
その間ずっと、咲いて実を作っては発芽してまた咲いて、とか……しっかり者の上に、働き者!

よく似た花に、「ムラサキサギゴケ」があります。
これは、本当によく似ています。大きさが違うので見比べれば違うんですが、見慣れないと、単独で出てきたらどっちか迷ってしまうくらい!

ムラサキサギゴケは、花がトキワハゼよりも大きくて1.5~3cmくらいあります。また、花全体がトキワハゼよりももう少し濃い紫色で、トキワハゼと同じく黄色っぽい点々がありますがトキワハゼよりも点が細かく多いです。
全体として、ムラサキサギゴケの方がトキワハゼよりも豪華で偉そう。
でも花の時期は春だけなので、夏や秋に見たらトキワハゼと思ってよいかと。

ムラサキサギゴケの方は、やや湿気た場所が好きだそうで、草地や田畑のあぜ道、公園の芝生などに群生しています。まち中や道端のちょっとした場所では、トキワハゼの方が見る機会が多いと思います。

トキワハゼ
分類サギゴケ科 サギゴケ属
花の時期3~12月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空地、公園
花の色・大きさ薄紫(下唇はさらに薄い紫) / 長さ1cm程度
花の形・特徴・唇形花と呼ばれる形で、上唇は薄紫、下唇はさらに薄く白に近い紫
・真ん中に、黄色い点々がある
・下唇は3つに分かれている
茎や葉の特徴・高さは5~20cm
・葉っぱは卵形
その他の特徴・春から冬はじめまで、長く見つけられる

トキワハゼと似ている野草

ムラサキサギゴケ