自分は頑張らない!? 光合成しない寄生植物

ハマウツボ科ハマウツボ属の、初夏の野草。

遠目に見ると、「花……?」って感じでちょっと不気味な茶色っぽいヤツ。よくシロツメクサやムラサキツメクサなどのツメクサファミリーに紛れ込んでさりげなく立っている、のっぽの茶色いヤツ。
なにか植物のようではあるが、草なのか枝なのかあるいはシダのようなものか、はたまたキノコ的なヤツなのか……ちょっと迷っちゃうこのヒトは、その名も「ヤセウツボ」。

「ヤセ」とか入ってて、ちょっと名前も可哀そうな「ヤセウツボ」。

まあ、仕方ない。これ、自分では栄養を作らずに、マメ科の植物などに寄生して養分を分けてもらって育つ寄生植物なんです。
全体的に茶色っぽいのは、光合成をして自分で栄養を作る必要がないから葉緑素がないため。そもそも葉っぱがありません。見るからに、ほかの植物に寄っかかって生きちゃってますね~。

でも、一緒にいるツメクサファミリーの皆さんは、それほど迷惑そうに感じている様子もなく元気いっぱいに咲いているから、まあいい……のかな?

花は一応、薄紫色(白っぽい花の中に紫色の筋がある)に見える唇形花。茶色っぽいけれど、近寄って見ると花の形をしています。可愛いか綺麗かと言われれば、ちょっと微妙。

ヨーロッパから北アメリカ原産の帰化植物で、近年ますます増えていると言います。シロツメクサやムラサキツメクサが一面に咲いている野原を見つけたら、ちょっとじっくり見てください。ものすごくさりげなく、きっといます! ヤセウツボさんが!

ヤセウツボ
分類ハマウツボ科 ハマウツボ属
花の時期5~6月ごろ
分布と生息地本州、四国 / 道端、空地、公園、芝生、河川敷(マメ科の植物などのある場所)
花の色・大きさ薄紫(全体として茶色っぽく見える) / 長さ1.5cm程度
花の形・特徴・薄紫色(白地に薄紫のスジが入っている)だがあまり目立たない
茎や葉の特徴・高さは15~40cm程度
・葉がなく、全体的に茶色っぽい
その他の特徴・シロツメクサやムラサキツメクサなどに寄生するので、ツメクサたちがいる場所を探すと見つかる

ヤセウツボと似ている野草

特になし?