どこにでも生えちゃう! 春のお馴染みの草

キク科ムカシヨモギ属の春の野草。

糸のような細い花びら。白から薄ピンク色の花をいっぱいに咲かせる、春のお馴染みのあの草。一面に咲いていると、なかなかの見ごたえ。……なんですけれど。

実は大正期に園芸用としてアメリカから持ち込まれた、まあまあ新しい帰化植物。それでいて小さな隙間やほかの先住植物のいる場所、なんなら塀や階段の途中や屋根の上なんかにも生えちゃう繁殖力と適応力、除草剤でも枯れないという強さで、要注意外来生物に。100年そこそこでここまで春の野草の代表格になってしまうくらいですから。春の早い時期から初夏のころまで、この花を見かけない日はありませんものね!

ついたあだ名が「貧乏草」。庭を放ったらかしにしておくと、これが生えてみすぼらしく見えるからという話もありますが、こっちが本名にならなくて良かったね!!

貧乏草の名前に引きずられてというわけではありませんが、遠めに見ると可愛らしい野菊のような花も、花びらが細すぎてピロピロしていてフニャっとしていて、なんとなくボロくて安っぽい(ハルジオンごめん!)。
これが観賞用だったのか~という感じですが、あまりにも見慣れすぎちゃったせいでしょうか。

よ~く似ているヒメジョオンは、花びらが細いのは同じですが、もう少し花らしくしっかりしています。
ハルジオン(以下ハル)とヒメジョオン(以下ヒメ)の違いは、

  • ツボミ … ハルは垂れて下を向いている。ヒメは上を向く。
  • 茎の中身 … ハルは中身がスカスカ。ヒメは詰まっている。
  • 葉 … ハルは茎を抱く。ヒメは抱かない。

というものが図鑑などで紹介されていますが、茎をいちいち切ってはいられないし、ツボミや葉はビミョウな違いで初心者には難しい!(そもそもそんな微妙な違いを紹介するくらい、見分けが難しいのです)

でも、ちょっとだけご安心ください。花の時期が1か月か2か月くらいズレています。ハルは3月くらいから咲きだしますが、ヒメは夏の野草。ゴールデンウィークごろ~5月くらいまで入れ替わりで同じ時期に咲いていることはありますが、それほど長くは重ならない印象です。重なった時期に見てしまったら。もう、「ハルかヒメかどっちか」ということにして、諦めます!

ハルジオンとヒメジョオンの違いは、後日あらためて記事にしたいと思います!!

ハルジオン(別名:貧乏草)
分類キク科 ムカシヨモギ属
花の時期3~5月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空き地、アスファルトの隙間、公園、畑、土手、河原
花の色・大きさ白~薄めのピンク / 2~2.5cm程度
花の形・特徴・糸のような細い花びらが、数えきれないくらいたくさん
・ツボミの間は垂れて下を向いている
茎や葉の特徴・高さは30~100cmほど
・茎を切ってみると、中身は空っぽでストローのようになっている
・葉の付け根が茎を半周ほど囲むようにつく(茎を抱く)
その他の特徴・鑑賞用としてアメリカからやってきた
・アスファルトのすごく小さな隙間にも生える

ハルジオンと似ている野草

ヒメジョオン

ペラペラヨメナ