華奢で可憐な白い花が、線香花火みたいに飛び出してます

ヒガンバナ科ネギ属の、初夏の野草。

ネギっぽいひょろんとした茎の先に、6枚の白い花びらに紫色のスジの入った綺麗な花が咲きます。花の大きさは1cmそこそこしかないので小さいのですが、数個の花が線香花火を逆さにしたみたいにひょんひょんと飛び出して咲くので、咲いているとまあまあ目立つほうかと思います。

この、ひょんひょん飛び出している花の付け根に、茶色いぶつぶつゴツゴツしたモノがあるんですけど、これは「ムカゴ」というヤツで。
種以外で繁殖する植物がちょこちょこありますが(イモから芽が出るジャガイモとか、根っこで増えていくドクダミとかとか……)、このノビルの場合は「ムカゴ」で繁殖する草で、茶色いつぶつぶの中に栄養分が入っていて、落ちて芽が出ます。

よく見かけるノビルは、茎の先っちょに茶色いつぶつぶ(ムカゴ)が付いていて、そこから花が飛び出しているんですけれど、じつは花が付かずにムカゴしかないことも多いようです。
と言っても、花が付いていないと目立たないので、「あ、ノビルだ!」と思う時はだいたい花なんですよね……。なので、花ではなくてムカゴを目印にして探したら、本当はもっと見つかるかもしれません。

ちなみに、ネギの仲間で食べられる草です。ノビルを漢字で書くと「野蒜」でして、「蒜(ひる)」というのはニンニクやネギと言ったネギ科の食べられる草のこと。でも、似たような葉っぱの毒草も多いので、食べたくなっても気を付けてくださいね!

ノビル
分類ヒガンバナ科 ネギ属
花の時期5~6月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空地、公園、土手
花の色・大きさ白(白地に紫のスジが入る) / 1cm程度
花の形・特徴・花びらは6枚で星形
・全体には白っぽく見えるが、よく見ると、先のほうはごく薄い紫色。白地に紫色のスジが入る
・柄が長く、茎やムカゴから飛び出すようについている
茎や葉の特徴・高さは30~80cm程度
・ネギのような細長い茎と葉で、葉と花のつく茎は、根本から分かれている
その他の特徴・ムカゴで増える植物。花が咲かずにムカゴだけのこともあり

ノビルと似ている野草

ハタケニラ

ニラ