王道の野草! 幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーも

マメ科シャジクソウ属の、春から初夏の野草。
図鑑などでは初夏~夏の花に分類されていることもありますが、東京周辺では4月ごろから咲き始め、5月ごろにとても元気に一面に咲いている印象です。

道端や植え込みに生えることもありますが、それよりどちらかというと、空地や公園など広い場所で一面に咲いている白い花。子供のころからお馴染みの、王冠やネックレスを作って遊んだり、摘んでブーケにしたりしたのはこの草ではないでしょうか。あるいは幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーも探したり?

四つ葉が「幸せを呼ぶ」と言われる特殊なものであることから分かる通り、普通の葉は三つ葉で、白い模様が入っていることが多いです。
時おり四つ葉があるわけなんですが、それどころか、まれに五つ葉、六つ葉、さらには十枚以上になるものもあるとか。葉が若いうちに傷がつくと枚数が増えるそうで、踏まれたりすると四つ葉(以上)になるようです。
なので、四つ葉を見つけたらそこは人に踏まれる場所というわけで、周りを探すともっと見つかるかも。でも、草むらに踏み入っていくのが、ちょっと可哀そうにも思えてしまうような……。

球形に見える花は、実はタンポポと同じく、長さ1cm程度の小さな花がたくさん集まったもの。蝶形と呼ばれる、蝶々のような形をした花で、これはマメ科の花に多い特徴的なカタチです。
よおぉく見ると、雑草とは言い難いとっても豪華で美しい小花の集まりなので、じっくり観察してみてください!

シロツメクサは江戸時代にヨーロッパから入ってきた古い帰化植物。もともとはオランダからガラスを輸入する際に、詰め物として使われていたということで、「詰め草」が名前の由来です。

なお、シロツメクサにはムラサキツメクサ(アカツメクサ)、クスダマツメクサ、コメツブツメクサなどの仲間がありますが、色や大きさは違えど花も葉も似たような形をしています。広い場所でほかの「なんとかツメクサ」と混生している光景もよく見られ、ツメクサファミリーはとっても仲良しな様子。

ついでに色の名前が付かない本名「ツメクサ」というのもあるんですが、こちらは全く別の植物。「シロツメクサ」は漢字で書くと「詰め草」ですが、「ツメクサ」は「爪草」です。

シロツメクサ(別名:クローバー)
分類マメ科 シャジクソウ属
花の時期4~9月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空き地、公園、畑
花の色・大きさ白 / 2cm程度(長さ1cm程度の花が球形に集まる)
花の形・特徴・長さ1cm程度の蝶形の花が、球形に集まって丸く見える
・受粉が終わると外側から茶色っぽくなって垂れていく
茎や葉の特徴・葉っぱは白い斑の入った三つ葉(まれに四つ葉以上のものも)
その他の特徴・道路脇にも生えるが、広めの場所一面に群生していることが多い
・荷物の緩衝材として詰められて入ってきたのが名前の由来の、帰化植物
・ほかの〇〇ツメクサとよく混生している

シロツメクサと似ている野草

ムラサキツメクサ(アカツメクサ)

クスダマツメクサ