雑草とは言わせない! トラディショナルな丘陵系山野草

サクラソウ科オカトラノオ属の、夏前半の野草。

6~7月ごろ、白い小さな花を穂のようにつけて咲きます。近寄ってよく見ると、ひとつひとつの花の大きさは1cm程度しかなくとっても小さいんですが、5枚の花びらが星形につくとっても可愛らしい花です。

花の穂が太くて長くて「虎のシッポ」みたい!というのが名前の由来なんですが、虎のシッポにしては可愛すぎる。これがシッポの虎って、どんなに天使!?

この草、野草・雑草図鑑的な本には必ず載っているトラディショナルな野草です。(洒落じゃないですよ!)
「野草・雑草」図鑑というのが、「野草」と「雑草」を区別して載せているのかどうか分かりませんが、オカトラノオさんに関しては、ちょっと雑草とは言いにくいですね。

誰が植えたでもなく勝手に生えている草ではありますが、この手の見た目の良い草によくあるような「観賞用にやってきた外来種が勝手に繁殖して道端に生えちゃった!」というのと違って、もともと野山に咲いていたのがちょっと人里まで出てきたという感じで、道端や庭にこんな花が咲いていたらむしろ保護されそうですもん。
間違っても、「雑草!」と言って引っこ抜かれたりはしなそうですよね。なんなら、あえて植えているお庭だってあるかと。

はい、生えている場所は主に丘陵や野山や林の近く。低山なら道筋で見られますが、都会のどこでも見つけられる草ではありません、ゴメンナサイ。
でも都会でも、草木のあるちょっと広めの公園や神社・お寺などで、比較的見かける機会の多い草です。

穂の先までツボミが付いていますが、下のほうから白い花が順番に咲いていきます。穂は垂れていますが、前端がちょっと立ち上がっています。群生していることが多いですが、一緒に生えているのはだいたい穂が同じ方向に垂れています。……なんて具合にいろいろ面白いので、見かけたらちょっと観察してみてくださいね!

ちなみに、トラノオの種類はいろいろあり、これは湿地で見られる「ヌマトラノオ」などに対して丘に生えるので「オカトラノオ」と言います。ただの「トラノオ」というのはこの種類ではなく、全然関係ありませんが観葉植物の「サンスベリア」の別名で使われています。

オカトラノオ
分類サクラソウ科 オカトラノオ属
花の時期6~7月ごろ
分布と生息地北海道~九州 / 丘陵、低山の道端、草地、公園、庭(神社・お寺など)
花の色・大きさ白 / ひとつひとつの花の大きさ1cm程度
花の形・特徴・花びらは5枚で、星形につく
・たくさんの花が穂のようにつく。穂は長いと30cmほどにもなる
・花は穂の下のほうから順番に咲いていく
・穂は上のほうが垂れ、一番先端が少し立ち上がっている
茎や葉の特徴・高さは60cm~1m程度
・葉っぱは長い楕円形で、先が尖っている
その他の特徴・丘陵や野山にあり、まち中では草木があって広めの公園や神社・お寺の庭などで見られる

オカトラノオと似ている野草

ヌマトラノオ(湿地に生える)