雄しべの周りのファサファサした毛が不思議な感じ

ツユクサ科ムラサキツユクサ属の、夏の野草。

別名を「トキワツユクサ」と呼ばれていますが、図鑑でも「トキワ~」を見出しに使っているものもあるので、仕方ないから二つの名前を両方覚えちゃいましょう!

早いモノは5月ごろから咲きだして、暑い時期まで咲いています。どちらかと言うと、住宅街の道端や民家の庭と道路の境のような場所、世話をしているのか放置しているのか判断の付きにくいプランタや植え込みみたいな、人の生活に近いところでよく見かけます。
自然の世界よりはまだ、人に近い場所にいるようですね。

というのもこちら、ちょっと可愛い顔した草たちの例に漏れず、もともとは観賞用に日本に持ち込まれた帰化植物。昭和初め頃と言いますが、そもそもは白い斑模様の入った葉の園芸品種が観葉植物としてやってきたんだそうですよ。
ところが、温室から逃げ出して野生化したら緑一色に戻っちゃったんだとか。植物、フシギ。

不思議と言えば、雄しべみたいなところに出ている白いファサファサした毛も不思議。なんとなーく、このファサファサのおかげで他の草と一風変わった華やかさになっているような。

さてさて、こちら三角形の3枚の花びらに既視感が……と思ったら鋭い! ツユクサの仲間のムラサキツユクサと、色は違えど似たような形をしています。花びらと萼が3枚、雄しべが6本というのが、ツユクサ科の植物の特徴。葉っぱの形はツユクサに似ていますね!
そういえばツユクサさんも、雄しべが3種類もある変わり者だったなぁ……。

同じ種類で「ミドリハカタカラクサ」と呼ばれるそっくりさんがいて、花はこちらノハカタカラクサよりもキモチ大きく、茎が緑色をしています。

別名の「トキワツユクサ」と呼ばれるのは、こちら「ノハカタカラクサ」のようです。

ノハカタカラクサ(別名:トキワツユクサ)
分類ツユクサ科 ムラサキツユクサ属
花の時期5~8月ごろ
分布と生息地本州。四国、九州 / 道端、草地、公園、庭
花の色・大きさ白 / 1~1.5cm程度
花の形・特徴・花びらは3枚。萼も3枚
・雄しべは6本で、先の黄色が目立つ
・雄しべのところに、白いファサファサした毛がたくさん生える
茎や葉の特徴・高さは20~40cm程度
・茎が赤っぽい
・葉は先が尖った卵形
その他の特徴・茎が緑色のものは「ミドリハカタカラクサ」

ノハカタカラクサ(トキワツユクサ)と似ている野草

ムラサキツユクサ

ミドリハカタカラクサ