見つかった場所が悪かった? 可哀そうな名前だけど、可愛い花です

キク科コゴメギク属の、初夏~冬の野草。

春ちょっと遅めから咲きだして、冬のものすごく寒くなる時期の手前くらいまで見られる、花の時期の長い野草です。このためか、4月ごろにはぼちぼち花が咲きだすけれど、図鑑によっては秋や冬の野草に分類されていることがあります。

何しろ気になるのは、名前ですよね!「ハキダメギク」……掃溜め??

なんとなく悟られているとは思いますが、掃溜めというのはそうですゴミ捨て場です。
なんだってゴミ捨て場なんて名前になってしまったのかと言うと、我らが日本植物分類学の父・牧野富太郎博士が、世田谷区の掃溜めで見つけたから……って! 見つかった場所が運が悪かった!

可哀そうな名前の草は、いくつもあります。けれどそれは、「実の形がアレに似ている」とか「ものすごく臭い」とか「トゲが多すぎ」とか、たいていはその植物の特徴のひとつではあると諦めがつく。(どうしてその部分を名前にした!?とは思いますけれど!)
でも、でもね……掃溜めで見つけたからハキダメギクって……ハキダメギクさん、なにも悪くないよね!!

まあでも、ハキダメギクさんに本当にまったく非がないかと言われると、ちょっと考えます。
というのもこの花。キク科の花らしく真ん中に黄色い部分(筒状花)があってその周りにある5枚の白い花びら(舌状花)なんですけどね……3つに切れ込みの入った白い花びら、可愛いんですけどね……でもなんだろう、この微妙な寸足らず感。なんか……うん、なんか惜しい感じなんだよな……。

しかも、掃溜めで見つけたというエピソード通り、この草かなり場所を選ばずどこにでも生えちゃいます。そこ汚れるでしょ! 景観悪いでしょ! っていうところに、むしろ……あんまりほかの草が生えないような道端のさもない場所に生えています。かなり強くてずぼらでジャンクな印象。
(実際のところ、写真を撮ろうとよく見ると、たいがいゴミが付いていたり虫が付いていたりバックに汚いモノがあったりして、あんまり綺麗なイメージじゃなかったりしてね!)
なんとなく「ゴミ捨て場みたいなとこによく咲いていそう」って思われちゃっても仕方なさそうな気も。

う~~ん、まあ寸足らずで惜しい感はあるけれど、けっこう可愛い花なんですけどねぇ。

5~6月くらいになると道端のいたるところで見られますので、ちょっとチェックしてあげてくださいな!

ハキダメギク
分類キク科 コゴメギク属
花の時期4~12月ごろ
分布と生息地
全国 / 道端、空き地、草地、畑
花の色・大きさ中心は黄色く花びらは白 / 花全体の大きさ5mm程度
花の形・特徴・中心は黄色く、周りに白い舌状花が付くキク科のテンプレ的な花
・白い舌状花は5枚。縁が3つに分かれている。1枚1枚の花びらが、隙間を空けてついている
茎や葉の特徴・高さは10~60cm程度
・葉は卵形で、縁にゆるいギザギザがある
その他の特徴・道端のあちこちで見られる

ハキダメギクと似ている野草

コゴメギク