自由気ままに捻じれる、芝生のアイドルの小さなラン

ラン科ネジバナ属の、初夏の野草。

鮮やかなピンク色の、長さ5mmくらいの小さい花が、くるくるとらせん状につきながらスクっと伸びます。もう~、可愛い!色といい、形といい、可愛い!

日当たりの良い芝生の場所などによく生えて、芝生の緑の中から伸び出ている姿はまさに芝生のアイドル。見つけると嬉しくなる草のひとつです。

花の時期は初夏。春の花たちがだいぶ終わってしまったころ。ぼちぼち梅雨入りしようかな?というあたりから夏くらいまでの、道端の雑草としては比較的短めの期間です。春の花盛りからちょっと遅れて、待ち遠しくなっちゃうこのタイミングがまた絶妙ですね。

さてさて、くるくるとらせん状に巻いている花ですが、これ、巻き方が右巻きと左巻きとあって、なんなら巻いてなくて真っすぐについているのもあって、とっても気まぐれ。自由気まま。
植物って、個体によって個性はあっても多くは大事な部分は決まっているような気がするんですけれど、巻き方も自由なんて、不思議ですね。

芝生の場所に群生していることもあるけれど、ほかに見当たらない場所で1本2本で咲いていることもあり、そこらへんもまた不思議。

別名の「モジズリ」は、東北地方(福島県)の物産で乱れたような模様にすり染めした布のこと。百人一首でも有名な、河原左大臣(源融)の「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに 乱れそめにし われならなくに」の歌に登場するのはその布ですが、この布がネジバナの別名「モジズリ」の由来です。

ネジバナ(別名:モジズリ)
分類ラン科 ネジバナ属
花の時期5~6月ごろ
分布と生息地北海道~九州 / 道端、空地、公園、土手、芝生
花の色・大きさピンク / 長さ5mm程度
花の形・特徴・白と濃いピンクの小さな花で、よく見るとランっぽい形
・花はらせん状に茎を取り巻きながらたくさんつく
茎や葉の特徴・高さは10~40cm程度
・葉は細長い線形だが、芝生などの草地に混ざっていることが多いので目立たない
その他の特徴・茎を取り巻き捻じれながら花のいている様子が特徴的
・捻じれ方は右巻き、左巻き両方あり、あまり捻じれていないものもある

ネジバナと似ている野草

特になし?