パッと目を引く鮮やかなオレンジ。可愛いけれど困ったヤツ

ケシ科ケシ属の、春~初夏の野草。

道路の脇や空き地に群生して、パッと目を引く鮮やかなオレンジ色。園芸品種のポピーにも似た可愛らしい形。しかも5cm程度と大き目の花がたくさん咲くので、一面に咲くととっても華やかなお花畑になる……んですが……。

この草、じつはかなりの困ったさんで、残念ながらだいぶ嫌われ者。何しろ繁殖力がスゴイんです!
名前の由来の「ナガミ」とは、花の後にできる「細長い実」なのですが、この実の中に2000粒とかいうとんでもない量の種が入っていて、拡散します。

「芥子粒(けしつぶ)のような」とは小さなモノのたとえですが、まさに芥子粒のような(「のような」というか、芥子粒)小さな種が風に乗ったり車のタイヤに付いたりして、方々に運ばれていくのです。

もとは地中海沿岸地方の草で、日本では1961年に東京都世田谷区で初めて見つかり90年代くらいから増えだしたという比較的新しい野草ながら、すでにこのシーズンこの花を見ない日はないくらいに雑草界を席巻していますね!

黙って咲いていれば可愛い花なのに、繁殖力が強いがために駆除対象になってしまうという何とも皮肉なお話。

オレンジ色のお花畑はとっても綺麗なんですが、あの花畑で種は何百万……と思うとちょっと複雑です。

ナガミヒナゲシ
分類ケシ科 ケシ属
花の時期3~6月ごろ
分布と生息地東北地方以南 / 道端、空き地、アスファルトの隙間、公園、畑
花の色・大きさオレンジ / 3~6cm程度
花の形・特徴・花びらは4枚でパッと見にも大き目
・花の中の子房(花の後で実になる)が、花が咲いている時からかなり大きい
・ツボミは毛に覆われていて、最初は垂れているが、開花に向けてだんだん起き上がる
・黒い点の入っている花も
茎や葉の特徴・高さは20~60cmほど
・葉はギザギザに裂けている
その他の特徴・1961年東京で発見された、かなり新しい野草
・実ひとつから1500~2000個もの種ができる、大変な繁殖力

ナガミヒナゲシと似ている野草

特になし