春の野を紫に彩る草。いろんな名前で呼ばれています!!

アブラナ科アブラナ属の春の野草。

いやぁ、これほどまでに別名の多い野草がありますでしょうか。タイトルの「ムラサキハナナ」のほかにも、「ムラサキダイコン」「ハナダイコン」「ショカツサイ」「オオアラセイトウ」「シキンサイ」。しかもどれも「その他の呼び方」とは言いにくいくらいにメジャーな呼び方で。(ハナダイコン、シンキサイを見出しにしている図鑑はないかな……というくらい)
どの名前で呼ぶか迷ってしまいます。

呼ばれている名前が多ければ多いほど、それは身近な植物ということなのかどうなのか。
春の早い時期から4月初めごろをピークに5月ごろまで、道端や空地、土手、河原などあちこちで見られる野草です。

ひらひらっとした紫色(白っぽい紫のこともあり)の花びらが、セイヨウアブラナなど他のアブラナ科の花と同じく十字につきます。花の大きさはアブラナよりちょっと大きく、3cmほどとそこそこ目立つサイズ。これがたくさん咲くので、とっても鮮やか!
アブラナと混生していることもしばしば。黄色と紫色の競演が、線路脇や土手や河原などで見られます。

アブラナの仲間なので野菜として食べれば食べられるのですが、そもそもは江戸時代ごろに観賞用として日本に入ってきた帰化植物で、昭和前半に野生化し広がったものだそうです。原産地の中国では食用として利用されていたそうで、名のひとつの「ショカツサイ」は諸葛孔明が戦時中に軍陣で栽培して食料にしたことからついた名前。

ムラサキハナナ(別名:ムラサキダイコン ハナダイコン ショカツサイ オオアラセイトウ シキンサイ)
分類アブラナ科
花の時期3~5月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、空き地、公園、畑、土手、河原
花の色・大きさ紫色 / 3cm程度
花の形・特徴・4枚の薄紫の花びらが、十字につく
・花びらはひらひらしている
茎や葉の特徴・高さは20~80cmほど
・葉の付け根が茎をぐるりと囲むようにつく(茎を抱く)
その他の特徴・川岸や土手、線路脇などで、アブラナなどと一緒に咲いていることも
・食用にもなりますが、日本には観賞用として持ち込まれたよう

ムラサキハナナと似ている野草

アブラナ