軍配に似ている? 丸っこい実がたくさんつく、ぺんぺん草の仲間

アブラナ科ナズナ属の、春遅め~初夏の野草。

白い、アブラナ科特有の4枚の花びらを十字につけますが、花の大きさは3mm程度しかないのでルーペやマクロレンズなどでよく見ないとしっかり見えません。

大きな特徴は、花よりも実のほう。丸っとした平べったい実をたくさんつけます。
「ぺんぺん草」の異名をとるナズナの仲間で、ナズナは三味線の撥に似た三角形の実をたくさんつけていきますが、こちらマメグンバイナズナはその実の部分が丸くて薄っぺらい円盤形なのです。

ナズナと同じく、下の方から順番に花を咲かせ実を作りながら上へと伸びていくので、花は常に上の方にあります。花の下は実がびっしりついているのですが、ナズナよりもこの実が密にあって、そのボリューム感のため大きな株になるとかなりゴージャスに見えます。

似たような丸っこい実をつける「グンバイナズナ」という草があるのですが、それに似て小型なので「マメグンバイナズナ」。マメと言う通り、実の大きさも3~4mmと、花よりもかすかに大きい程度です。
オリジナルのグンバイナズナの方は実の大きさが1cm以上あり、もっと軍配に似た形をしていますが、こちらマメグンバイナズナは軍配と言うよりただの丸なような気も……。

街中で見かけるのは、グンバイナズナよりもこのマメグンバイナズナの方が多いかと思います。
草地はモチロン、道路の脇やアスファルトの隙間にもよく生えている強い野草です。
道端のあちこちで見られると思うので、チェックしてみてください! 実がいっぱいついた、モリモリっとした形が面白いですよ!

マメグンバイナズナ
分類アブラナ科 ナズナ属
花の時期4~6月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、アスファルトの隙間、空地、街路樹の植え込み
花の色・大きさ白 / 3mm程度
花の形・特徴・4枚の花びらが十字に付く(アブラナ科の花の特徴)
・花は下の方から咲き、実になりながらだんだん伸びていくため、常に上の方に咲いている
茎や葉の特徴・高さは10~50cm程度
その他の特徴・3、4mmほどの、丸くて薄っぺらい円盤形の実をたくさんつける

マメグンバイナズナと似ている野草

ナズナ(実の形が違い、三角形。花の季節が少し早い)

グンバイナズナ(実の形が似ているが、『マメ』よりも大きい。見かける頻度は低い)