早春の野草代表。名前の由来は仏様の台座

シソ科オドリコソウ属の春の野草。

オオイヌノフグリと同じく、春の早い時期……というよりまだ冬の気配も残る2月ごろから咲き始める、早起きの野草です。

名前の由来は、仏様が座っている蓮の台座。葉っぱの形がそれに似ていて、葉の上にちょこんと出た花がさしずめ仏様かな……と思うとちょっと有難い感じ。なんですが、空地や野原のほか道路のアスファルトの隙間なんかからも顔をのぞかせる、とっても気さくな野草です。

仏様の台座に見えるこの葉は、半円形の葉が向かい合って付いたもの。ぱっと見には、茎を取り囲んで輪になっているようにも見えますね。

花は「唇形花」と呼ばれる唇みたいな形をした紫色(ピンク?)。広い場所では群生する野草で、畑など一面に咲くこともあり、「ホトケノザ畑」みたいになるとちょっとした見ごたえです。

花の時期としては早春から春前半が一番元気なように思いますが、秋に咲くこともあります。10月から12月ごろまでぽちぽち見られ、年明けは2月初旬からという、なんて働き者!

なお、春の七草に「ホトケノザ」というのがありますが、こちらは別の植物「コオニタビラコ」のことで、この草とは無関係です。この草を食べる話は……あんまり聞かないかな?

ホトケノザ(別名:サンカイグサ)
分類シソ科 オドリコソウ属
花の時期2~5月ごろ 秋ごろ
分布と生息地本州より南 / 道端、アスファルトの隙間、空き地、公園、畑
花の色・大きさ紫色(ピンクにも見えるかも) / 2cm(長さ)程度
花の形・特徴・唇形花と呼ばれる形の紫色の花が、上の方に咲く
・葉のわきに小さなツボミみたいなのがつきますが、これは閉鎖花と呼ばれ開きません
茎や葉の特徴半円形の葉が向かい合って付き、丸に見える。これが仏様の台座に見えるのが名前の由来
その他の特徴・秋ごろ季節外れの時期にも花が咲く
・畑一面に群生することも
・秋の七草の「ホトケノザ」とは別

ホトケノザと似ている野草

ヒメオドリコソウ

コオニタビラコ … 春の七草の「ホトケノザ」はこちら。通称が同じだけで、特に関係はない別の野草。