そのタンポポ、もしかしたらブタナかも⁉

キク科の春~夏の野草。画像を見て「タンポポじゃん!」と思われた方がいたら、その通り。花はそっくりです。

タンポポより茎がひょろりと長くて背が高いですが、タンポポもけっこう巨大なものがあるので、見分けるポイントとしてはちょっと決め手に欠けます。

大きな違いは、茎の途中で枝分かれしていること。タンポポは、根本で花の付く茎と葉に分かれ、花のつく茎は枝分かれしないので1本の茎に1つの花しか咲いていませんが、ブタナは1本の茎が途中で2~3本に枝分かれしてそれぞれに花が咲きます。

なんだかヒョロヒョロと長いタンポポだな……と思ったら、それ実は、ブタナかも!(あんまりタンポポにそっくりなので、「タンポポモドキ」という異名もあるようですよ!)

図鑑などでは夏~秋の花と紹介されていることが多いですが、ここ数年は4月初めごろから見かけます(東京)。

昭和の初めに札幌で発見されてから広がりだしたと言われるヨーロッパ原産の帰化植物で、名前の「ブタナ」とは、フランスでの属名「ブタのサラダ」「ブタに食べさせる菜」の直訳だとか。「ブタが好んで食べるため」という話もありますが、人も、食べれば食べられるようなので(食べたことないけど、タンポポより美味しいという説も!)、「ブタ」はちょっと酷いような気もしますねぇ……。

なお、花粉症の原因になる「ブタクサ」は別の植物です。

形の似た花と言ったら何しろ前述の通りタンポポですが、キク科の植物はだいたいみんな同じような顔をしているので、これも似た花の咲く野草がたくさんあります!

ブタナ(別名:タンポポモドキ)
分類キク科
花の時期4~11月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、アスファルトの隙間、空き地、公園
花の色・大きさ黄色 / 3~4cm程度
花の形・特徴花弁がたくさんに見えます(実は、ひとつひとつが1つの花)
茎や葉の特徴・茎の途中で枝分かれし、それぞれに花が咲く
・葉のふちにギザギザがあるが、タンポポよりは滑らか
その他の特徴食用にもなるが、由来は「ブタのサラダ」とか

ブタナと似ている野草

タンポポ