春初めに咲きだす、可愛らしい踊り子さん

シソ科オドリコソウ属の春の野草。

これまでにご紹介したオオイヌノフグリやホトケノザと並び、春の早いうちから花を咲かます。踊り子を連想させる可憐で可愛らしい草ながら、道端やアスファルトの隙間、塀の間などのちょっとした場所にも生えるしたたかさ。歩くごとに、比較的長い期間見られる野草なので、ぜひ探してみてくださいね!

花は「唇形花」と呼ばれる唇みたいな形をした紫色(ピンク?)。前にご紹介しているホトケノザと形が似ていますが、こちらはホトケノザよりも気持ち小さめの花が葉っぱに隠れるようにして俯きがちにつくのが大きな違い。ヒメ踊り子さんは、ちょっと恥ずかしがり屋さんなんです、たぶん。

また、三角形に見える葉っぱが下に向かってぎっしりついているのも特徴。草全体として、三角形に見える草です。葉は、大きな株になると上の方が紫がかった色になりますが、上まで緑のものもあります。

空き地などに群生することがあり、たくさんの踊り子さんが並んでいるようで、とっても賑やか。都会では隙間にちょこっと咲いているものが多いのですが、郊外や里山では、そんな華やかな光景が見られることも多々ありますよ!

花の時期は春ですが、秋に咲くこともあります。10月から12月ごろまで、ホトケノザほどではないと思うのですが、それだけに、たまに見かけると嬉しいんです♪

なお、「ヒメ」が付く草は、だいたい「ヒメ」が付かないオリジナルがあるもの。「オドリコソウ」という草もあります。
同じシソ科・オドリコソウ属の親戚と言えそうな草ですが、こちらはかなり大振りでしっかりした花(下の画像参照)。野山や原っぱなどで見られる草で、都会ではあまり見かけません。

ヒメオドリコソウ(別名:特になし)
分類シソ科 オドリコソウ属
花の時期2~5月ごろ 秋ごろ
分布と生息地本州より南 / 道端、アスファルトの隙間、空き地、公園、畑
花の色・大きさ紫色(ピンクにも見えるかも) / 1cm(長さ)程度
花の形・特徴・唇形花と呼ばれる形の紫色の花が、葉に隠れるようにして下向きに付く
茎や葉の特徴三角形に近い葉が、下向きに付く
その他の特徴・ホトケノザと似た花ですが、ホトケノザと違い花は葉に隠れて下向きに付く
・春の花ですが、秋に季節外れの花を咲かせることもあります
・在来種の「オドリコソウ」とは親戚ですが、かなり見た目が違います

ヒメオドリコソウと似ている野草

ホトケノザ

オドリコソウ … 同じシソ科オドリコソウ属の親戚筋ですが、見た目はだいぶ違います