春の七草のひとつ「ごぎょう」はこの草

キク科ハハコグサ属の春の野草。

茎や葉が白い毛に覆われていて、全体として白っぽく見える茎の先に、「筒状花(とうじょうか)」と呼ばれる筒の形をした黄色い花がたくさん集まって咲きます。
「花」のイメージ通りの花びらは見当たらなくて、これはもう、花……なのか……?という不思議なカタチではありますが、これでも花。

まあこの独特のビジュアルは、下の画像をご参照いただくとして。これをよく見ておけば、他にそれほど似ている草もないので、あちこちで見つかると思います! なにしろ花の時期の4月から6月ごろは、もうそこら中で目にしない日はないくらいにどこでも生えます。草地や空地や公園はモチロン、アスファルトの隙間などのちょっとしたところにも。ぜひ気にしてキョロキョロしてみてくださいね!

背の高さは40cmくらいにまでなりますが、アスファルトの隙間から出ている小さなものは10cm足らずのものも。正直ビミョウな見た目の花なんですけど、小さいのはとっても可愛いです。

ところで春の七草のひとつに「ごぎょう」というのがありますが、それがこのハハコグサのことです。新春の時期なので、まだ花の咲いていない若い芽を食べますが、ヨモギが草餅に使われるようになる前はこのハハコグサ(ごぎょう)を使っていたというので、昔は食用として重宝されていたんでしょうか。

名前の由来は、もともと「ホウコグサ(ホオコグサ)」と呼ばれたのが訛ったとか諸説ありますが、その「ホウコグサ」にも「毛が『ほうけ立つ(毛羽立つ)』が訛った」「花の後で出来る綿毛が『蓬髪(乱れた髪)』のよう」など、これまた諸説ありです。

ハハコグサ(別名:オギョウ/ゴギョウ/ホオコグサ)
分類キク科 ハハコグサ属
花の時期4~6月ごろ
分布と生息地全国 / 道端、アスファルト、空き地、公園、畑
花の色・大きさ黄色 / ひとつひとつの花は3mm程度、まとまって1cm程度
花の形・特徴筒状花(とうじょうか)と呼ばれる、筒の形の花が集まって咲く
茎や葉の特徴・葉はへら型で細長い
・茎も葉も、全体的に白い毛で覆われていて、白っぽく見える
その他の特徴・春の七草のひとつ「ごぎょう」。昔は草餅にも使われていた、食用の野草

ハハコグサと似ている野草

チチコグサ