美しい赤紫色の花に、鋭いトゲ!

キク科アザミ属の、初夏~夏の野草。

鮮やかな赤紫色の、綺麗な花が咲きます。これはタンポポなどと同じく、細長い小さな花がたくさん集まったもので、キク科の草の特徴のひとつです。
同じくキク科のハルジオンやヒメジョオンを思い浮かべてください! 周りの白い部分を「舌状花」、真ん中の黄色い部分を「筒状花」と呼び、どちらもたくさんの花の集まりなのですが、タンポポは「舌状花」しかないのに対し、ノアザミは「筒状花」だけが集まった花。

でもタンポポと同じように、花の後では綿毛ができて飛んで行って繁殖します。

さらに特徴的なのは、葉の鋭いトゲ。触ると結構痛いです。触る時は気を付けて、ちょっと触れてみる程度にしてくださいね。

美しい見た目に反してわりと凶暴な草ですけれど、何しろ美しいので、園芸品種もたくさん作られています。

なおアザミの仲間はたくさんあるんですが、多くは山野にあって、道端や人の生活のある場所で見かける種類はそれほど多くはないようです。また、ほかのほとんどのアザミは秋に花が咲くものが多いので、初夏ごろに見かけたらノアザミかな、と思って良さそうです。

同じ季節に同じような場所に咲く仲間としては、「アメリカオニアザミ」があります。ノアザミよりもさらにトゲトゲが多くて強くて痛いので、触る時はほんっとーうに注意してください。こちらは近年どんどん増えていてノアザミよりも見かける機会が多いかもしれません。

また、「キツネアザミ」というのが似たような花で似たような名前ですが、こちらは同じキク科でもキツネアザミ科の草で、「アザミみたいな顔をしているけどアザミじゃない」ことからキツネアザミという名で呼ばれています。

ノアザミ
分類キク科 アザミ属
花の時期5~8月ごろ
分布と生息地本州、四国、九州 / 道端、空き地、草地、公園、土手、畑
花の色・大きさ赤紫 / 花全体の大きさ4~5cm程度
花の形・特徴・細長い小さな花がたくさん集まっている
・花の下で花をまとめている緑のとこ(総苞と言います)は、反り返らないでピタッとくっついている
茎や葉の特徴・高さは50~100cm程度
・葉や茎にとても鋭いトゲがあり、触ると痛い
その他の特徴・アザミの仲間は秋に花が咲くものが多いので、初夏に咲く少数派のアザミ

ノアザミと似ている野草

キツネアザミ

アメリカオニアザミ