10枚に見える花びらが可愛い。長く咲く頑張り屋さん

ナデシコ科ハコベ属の、春~秋の野草。

10枚に見える花びらは、じつは5枚で、1枚が根本から大きく切れ込んでいるため2枚に見えます。花びらが多く見えて可愛い感じになりますね!

春の初め、まだ他の花も少ない頃から咲き始め、秋ごろまで見られます。12月ごろに咲いていることもあり、1、2月には咲きだすので、ほぼ1年中と言ってかも。(でも見かける頻度で行くと、2~4月ごろの春の早い時期が一番元気なように見えます)

島崎藤村の「千曲川旅情の歌」で、「みどりなすはこべは萌えず」と登場する草(詩では、まだハコベはない(=春が来ていない)状態ですが)。
春の七草の「はこべら」というのもこれで、花の咲く前の若い茎や葉を食べます。

茎が緑色のハコベは「ミドリハコベ」とも。また同じ花の形で、少し小ぶりで茎が赤いものを「コハコベ」と言い、ミドリハコベもコハコベも合わせて「ハコベ」と呼ぶこともあります。

また、やはり同じ花で葉っぱが大きい「ウシハコベ」もあります。ウシハコベは花の大きさは気持ち大きいくらいでそれほど変わりませんが、葉っぱは大きなものでは8cmほどもあり、かなり大ぶりで、縁に緩いギザギザがあります。花の咲く季節がハコベよりもちょっと遅く、夏ごろまで元気に咲いているので、5月を過ぎるとハコベよりもウシハコベを見ることの方が増えてくるような気がします。

花と葉っぱの大きさだけだと見分けに微妙なところがありますが、決定的な違いは雌しべの花柱(花の真ん中の、白い線状のモノ)。ミドリハコベ・コハコベはこれが3本、ウシハコベは5本あります。とても小さくて見にくいので、ルーペやカメラのマクロレンズがあったらチェックしてみてください!

ハコベ(別名:ミドリハコベ)
分類ナデシコ科 ハコベ属
花の時期2~10月ごろ
分布と生息地北海道~九州 / 道端、草地、田畑、公園、庭
花の色・大きさ白 / 6~7mm
花の形・特徴・花びらは5枚だが、根本から大きな切れ込みがあって10枚に見える
・尖ったガクが花びらの間からはみ出している
・雌しべの花柱は3本
茎や葉の特徴・卵形で2~3cm程度
その他の特徴・春の七草のひとつで、花の前の若い茎や葉を食べる

ハコベと似ている野草

ウシハコベ

ノミノフスマ

ノミノツヅリ